メンデレーエフ周期律発見150周年
国際周期表年2019
C
アカデミアから

フラーレンやナノチューブといったナノカーボンが、炭素の科学に新しい形・構造をもたらしました。私たちは、炭素の「次の形」や「新機能」を追求し、ポスト・ナノカーボンの時代を切り拓こうとしています。


世界の安心・安全を支えているのは鉄鋼材料です。鉄と炭素のマリアージュが強靭な鋼(はがね)を生み出しました。その基礎学理を追究し、従来の常識を凌駕する革新的鉄鋼材料創製につながる研究を進めています。


医農薬などの生物機能分子として注目を集める中分子(分子量500-3000程度の化合物)の実用化を目指し、反応開発とその集積化、天然中分子の効率合成、生物機能中分子の創製などに取り組んでいます。


炭素は生命・材料の基本となる最重要元素です。なかでも6つの炭素が環を成した芳香族化合物は、有機化学の顔というべき基本構造です。我々はこの芳香族の構造美を基礎とし、新たな機能や物性の開拓に挑んでいます。


1959年、ポリアクリロニトリル(PAN)繊維を連続的に熱処理し焼き上げて炭素繊維を製造する方法を開発しました。軽さ・強さ・しなやかさを兼ね備えたPAN系炭素繊維は、釣り竿から航空機まで幅広く使われています。


私たちは反応活性点の周辺領域を精密かつ自在に構築することで独創的な反応場を創出し、入手容易で安価な原料を利用した、枯渇性資源非依存型の物質変換反応や環境負荷軽減等の高難度有機合成反応を開発しています。


世の中の様々な物質の基盤となる炭素と炭素の結合のこれまでにない作り方を編み出し、我々の生活を豊かにする蛍光色素、有機EL発光素子、液晶、ポリマーなど、様々な材料や製品を通じて社会に貢献します。


鏡像異性体の効率的な分離を可能にした光学分割材料の開発に関する一連の研究は、名古屋大学が世界に誇る研究の一つです。現在、不斉炭素を含む医薬品等の製造開発において、その技術が活かされています。


QST関西研では、レーザー駆動イオン加速技術と超伝導技術とを組み合わせ、生物効果の高い炭素粒子を用いた「次世代粒子線治療=量子メス」による、「がん死ゼロ健康⻑寿社会の実現」を目指した研究を推進中です。


産業界から

三菱ケミカルホールディングスは、「KAITEKI―人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」をめざし、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に取り組んでいます。


東レは、「素材には、社会を変える力がある」という信念のもと、研究・技術開発を推進しています。炭素繊維をはじめとした当社基幹材料を構成する炭素を活かして、今後も先端材料を創出し続け、社会に貢献します。


㈱東レリサーチセンターは、受託分析・解析を事業とし、有機高分子、炭素繊維等の素材や医薬・バイオ関連の分析法開発に積極的に取組んでいます。企業理念“高度な技術で社会に貢献する”の下、産業界に貢献します。


東京化成工業は、炭素Cが主役の有機合成試薬メーカーとしてスタートしました。その原点を大切に、現在では様々な分野でお役に立つべく、最先端の試薬を始め、弊社特有の製品など多彩な化学品をご提供しています。


『世界で一番美しい元素図鑑』が描き出す、元素の美しさと奥深い世界――。 創元社はこれからも「良書永続」を基本理念とし、多様な出版活動を通して化学やサイエンスの魅力を読者の皆さまに伝えていきます。


SDGsへの貢献や炭素循環社会の実現を日立がめざすことから、Cを選択します。


「社会や地球環境が抱える問題の解決」や「人々の豊かな暮らしづくり」に貢献し、住友化学グループとして持続的成長を遂げるとともに、炭素循環社会などのサステナブルな社会の実現に貢献することを目指します。