2019年はメンデレーエフの周期律発見から150年目にあたります。また、2016年には、113番目の元素ニホニウムを含む118番までの4元素名が確定し、周期表の第7周期までが完成しました。これらを記念して、ユネスコと国連が「国際周期表年2019(IYPT2019)」を制定しました。現在世界中で周期表の美しさを祝い、元素の重要性を再認識する取り組みが繰り広げられています。そして、この記念すべき年の活動を締めくくる閉会式が、12月5日に東京にて開催されることになりました。私共は、国際周期表年 2019 組織委員会と協力し、閉会式を開催するための準備を進めると同時に、日本国内において、国際周期表年を記念するさまざまな活動を進めて参りました。この度、その活動の一環として、周期表に親しむ本特別展を企画し全国を巡回することになりました。
特別展では、周期表の起こりから現在までの発展、生活と元素との関係、科学者の活躍と我が国の研究成果などを楽しみながら理解できるよう構成されています。国際周期表年を契機に本展示をとおして、過去から現在に至る人類社会に貢献した科学者たちへの感謝と尊敬の念とともに、さらなる発展への期待を込めて周期表を眺めてみてはいかがでしょうか。
周期表は人類社会を今後ますます豊かにするヒントを生み出しつづけることでしょう。周期表が人々の生活に根付き、科学技術の恩恵を日常生活の中で実感しつつ、親から子に子から孫へと語り継がれることで科学が文化となることを祈念いたします。
なお、本巡回展を始め、国際周期表年2019を記念する私共の活動には、文部科学省のご後援をいただくとともに、多くの企業、大学、研究所、学協会からご支援とご協賛をいただいております。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
日本化学会 国際周期表年2019実行委員会 委員長 玉尾皓平