窒素は物質の機能を司る元素です。生体関連分子、機能性材料、触媒、錯体、半導体など、様々な場面で窒素は活躍していて、化学の基礎研究における鍵元素です。
1927年、酸化鉄を原材料とした新開発の触媒を用いて空気中の窒素と水電解による水素からアンモニアを合成する「東工試法」を開発しました。日本の近代化学工業の発展につながる画期的な技術となりました。
私たちは、潤滑性を有する窒素含有イオン液体と高分子の複合による新しい低摩擦システムを開発しました。氷上面より低摩擦で強靭なこの新しい表面材料は、あらゆる場面で省エネルギーを実現できると考えています。
三井化学のルーツを語る上で欠かせない元素、それが窒素です。当社の歴史は肥料原料であるアンモニアや尿素の製造から始まりました。固定化された窒素は肥料の三要素の一つを支え、今も世界の農業に貢献しています。
炭鉱業から発した宇部興産は「有限の鉱業から無限の工業へ」の精神のもと、窒素から化学事業を発展させてきました。以来、アンモニアから硫安、カプロラクタム、ナイロンなどの製品や技術で社会に貢献しています。
1950年、大塚化学は日本で初めて水加ヒドラジンの量産化に成功しました。その“N-N”結合を活かした発泡剤、ゴム薬剤、架橋剤、キャッチャー剤、触媒などの機能性化学品は、地球環境と豊かな暮らしに貢献しています。