メンデレーエフ周期律発見150周年
国際周期表年2019
Ti
アカデミアから

四塩化チタンは代表的なチタン化合物である。これを用いる向山アルドール反応は有機合成反応として優れているだけでなく、キラルルイス酸、直裁的反応、水中反応、そして、医薬品や機能性材料の開発に寄与している。


二酸化チタンに紫外光照射すると、強力な酸化作用と超親水性が発現する。これらの性質は、殺菌・抗菌・防曇・セルフクリーニングなどに幅広く応用されている。また、クリーンエネルギー生産ついても検討されている。


チタンの酒石酸ジエチル錯体は、アリルアルコール類の不斉エポキシ化において極めて高い選択性を示す。この反応は香月・シャープレス不斉エポキシ化反応として知られ、2001年のノーベル化学賞の受賞対象となった。


チタンとマグネシウムは、軽量な金属材料として広い用途が期待されています。両者とも六方晶という結晶構造が原因で加工が難しいという問題がありました。これを改善する基盤的研究を進めています。


Tiは堅牢な素材で、酸化物も光触媒として重要です。Titanはギリシャ神話に由来し、学識に秀でた人も意味します。豊田工大は、優れた人材の育成を推進し、その英名の略称TTIがTiと重なる故に選びました。


チタンは軽くて丈夫で資源的にも豊富な未来材料です。しかし、製造プロセスの非効率性からレアメタルの代表です。チタンをコモンメタルにする高効率の製造プロセスやリサイクルプロセスの開発が求められています。


東京理科大学 <Tokyo University of Science> は2031年に創立150周年を迎えます。酸化チタンは、代表的な光触媒であり、最近ではカーボンリサイクルへの応用も期待されています。


東工大(TiTech) 理学院化学系は、様々な元素の探求・活用を目指した純粋基礎及び目的基礎研究を推し進めており、学生は化学コースとエネルギーコースの何れかを選択し、基礎から先進化学まで多様な教育の受講が可能


産業界から

チタンは、軽い、強い、錆びない、生体適合性がよいなどの特性を持ち、航空機向け材料をはじめ様々な分野で使用されています。1948年に製錬法が実用化された若い金属だけに更なる需要及び用途の拡大が期待されます。


Ti原子を含むチーグラー触媒。この触媒との出会いにより、三井化学は1958年に日本で初めてポリエチレンの工業化を実現しました。その後も当社は触媒技術に磨きをかけ、新たな顧客価値の創造に挑戦しています。


日本電子は金属3Dプリンターの活用を通して未来の材料であるチタンの最先端の航空・宇宙及び医療分野での社会実装を進めSociety5.0に貢献します。